5月のカワガラス以来の新規の野鳥です。
笠取地区では初めての猛禽類、ノスリです。猛禽類とは、鋭いクチバシと爪をもち、おもに昆虫類や哺乳類、鳥類を捕食する鳥の総称です。ワシタカ類が良く知られていますが、フクロウも猛禽類の仲間です。
巨椋干拓地では冬になると普通に見られるノスリですが、ここ笠取周辺ではようやく会うことができました。道路脇の電柱に止っていて最初はトンビかな、と思ったのですが、カメラでズームしてみると胸が白っぽくノスリとわかりました。トンビより一回り小さいのですが、遠目からはなかなかわかりません。カラスより大きくトンビより小さいという大きさです。干拓地では他にチョウゲンボウも見られるので、笠取周辺でもそのうち撮れるかと、期待を込めて思っています。
猛禽類は電柱などに結構長く止っていますので、野鳥撮影の初心者には格好の被写体かもしれません。
ところで、トンビ(正式にはトビ)は同じ猛禽類ですが、あまりに普通すぎて、出会っても、なんだトンビか、で終わってしまいます。トンビに申し訳ないですね。そのトンビは“掃除屋”とも言われ、動物や魚の死肉を主な食料としています。もちろん生きたものも捕食します。
私は海で釣りをしている時に、泳いでいる魚を捕った瞬間を目撃しました。ピーピーと鳴きながら空を旋回しているな、と思っていたのですが、突然海に舞い降り、飛び上がった時には目に見える大きさの魚、多分30㎝程度のボラではないかと思うのですが、足にしっかりつかんでいました。
魚を主食とする猛禽類の一種のミサゴならともかく、トンビの生きた魚の捕獲場面は頻繁に見られるものではない(と勝手に思っているのですが)のでちょっと感動ものでした。
トンビと言えば、“トンビがタカを生む”という言い方が古くからありますが、トンビは猛禽類の中でも一段下に見られていたということのようです。これからはもう少し優しい眼差しを、と書いていて、苦い思い出がよみがえってきました。
何年か前、キス釣りをしていて三本針に二匹釣れた時のことです。一匹を針から外し、もう一匹外すために砂の上に置いていた数秒の間にトンビに“油揚げ”ならぬキスをさらわれたことがあります。
憎きトンビとするか、おおらかに受け入れるべきか、しばし考えてみます。