ウォークバーディング番外編 パート3(2024.05.16)

奇跡の遭遇:

偶然が何回か重なれば、それを奇跡と呼んで良いのではないでしょうか。ナベコウとの出会いはそんな偶然の連続から生まれました。

ナベコウ

まずナベコウという鳥ですが、コウノトリの仲間で日本には数羽しかやってこない冬の珍鳥です。私の持っている2冊の野鳥図鑑にも載っていません。冬季にアフリカなどから北上して来るようです。

日本で見られるのは限られた地域で、九州の沿岸で何羽かが散見され、九州以外では和歌山県有田郡のため池での一羽のみです。

一羽の越冬と言えば、琵琶湖にやってくる山本山のおばあちゃんで知られるオオワシが有名で、昨年で26年連続の飛来だそうです。

ナベコウの有田郡飛来はネットで見ても特に書かれていませんが、少なくとも4~5年前からは来ているようです。一羽だけということから、同じ個体かと思われます。

ではその顛末を書きます。

昨年12月、知人からナベコウが有田のため池に来ていると聞きました。その時はナベコウと言う鳥自体を知りませんでした。図鑑で調べても載っていません。ネットで調べました。

本州で一羽だけということで、関東方面からもバードウォッチャーが来ると書かれてありました。

女房と義兄を誘って行くことにしました。知人からは、いくつかのため池を巡りながらバードウォッチャーが集まっている所を探せば良いのでは、とアドバイスを得ていました。

一番目のため池。誰もいません。一周して次のため池に行きました。そこにも誰もいません。今日は不発かな、という不安がよぎりましたが、ふと見ると池の真ん中あたりにコウノトリがいました。絵になる鳥なので何枚か撮り、さて次の池に、と思ったのですが、時計を見るとお昼前です。

コウノトリがいたので写真を撮った。
そのため次のため池に行くことを止めて昼食にした。

コウノトリを見ながらの昼食も乙なものです。池の側にレジャーシートを広げおにぎりをほおばっていました。そこにミサゴがやって来ました。猛禽類の飛んでいる姿はいくら見ても飽きません。座ったまま双眼鏡で眺めていました。

とその時、双眼鏡の画面の一番下あたりを黒いものが横切りました。あらためてそれを追いました。対岸の山裾を飛んでいます。そして電柱に止まったのです。かなり遠方ということもあり、双眼鏡では黒い体に赤っぽい足が確認できる程度でした。多分ナベコウです。デジカメを最大倍率にして証拠写真として数枚撮りました。撮った、との思いの中でまたおにぎりを食べ始めたのですが、中途半端な気持ちにどうしても我慢できなくなり、ちょっと行ってくる、と一人対岸へ走りました。

近距離でのナベコウ

10分も走ったでしょうか、その電柱が見えるところまで来た時、いました、間違いなくナベコウです。それもかなり近くです。撮りました。何枚も撮りました。遅れてやってきた義兄や女房も撮りました。電柱に止ってからすでに20分以上経っていたと思います。

よく待っていてくれた、と今度はナベコウを見ながらのコーヒータイム。至福の一時を過ごし帰路に着きました。

どこが偶然なのか、順おって書いてみます。

 偶然の一:コウノトリがいたので写真を撮った。そのため次のため池に行くことを止めて昼食にした。★コウノトリがいなかったらそのまま次の池に行っていた。

偶然の二:ミサゴが飛んできて双眼鏡で見ていたお陰でナベコウが視界に入った。★ミサゴが池から山の方向へ飛んで行ったので、山裾を横切ったナベコウに気がついた。

偶然の三:飛び去らずに電柱に止った。★いくつかのため池を行ったり来たりしているようなので、そのまま別のため池に飛んで行っても不思議ではない。見える所に止ったのは幸運以外なにものでもない。

偶然の四:電柱に止ってから10分か15分後に電柱近くに着いたがそのままいてくれた。★池の中ならエサを探しながら結構長く留まっているが、電柱にそんなに長く止っているとは予想外だった。

このように少なくとも4つの偶然はあったが、小さな偶然は他にもいくつかあった。これらのどれかが欠けても会えなかったと思う。

多分、野鳥撮影での最も印象に残る一日になることだろう。今後何年来てくれるかわからないが、山本山のおばあちゃんのように、親しみのあるニックネームで呼ばれるようになるのを願って、ナベコウ奇跡の物語を終わります。

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