名前の由来その③(2021.10.10)

この秋の渡りのシーズンが始まっていますが、昨年は9月早々にカメラに収めたコサメビタキは未だに会えていません。その年によって飛来の数は変わるとはいえ、1ヶ月経ってもまだ、というのは、ちょっと気になるところです。

さて由来その③ですが、私の大好きなサンコウチョウから始めましょう。

サンコウチョウの鳴き声は、月日星、ツーヒーホシホシホシです。つまり、月・日(太陽)から星と続きます。そこから、三つの光る天体の鳥、三光鳥と名付けられました。

何と壮大な名前ではないでしょうか。その名に恥じない、バードウォッチャーの憧れの野鳥の一つです。私自身、初めて撮った時のドキドキ感と興奮はいまも鮮明に覚えています。また、結構反応が面白い鳥で、口笛で“ホシホシホシ(口笛ではホイホイホイとなりますが)”と真似をすると、何回かに一回は鳴き返してくれます。そのうち、すぐ近くまで来ることもあります。

一度は、目の前にメスが現れたのですが、余りに近くだったので、お互いがびっくりして見つめ合ってしまいました。ふっと我に返りカメラを、とポケットから出そうとした瞬間、メスはプイッと怒ったように飛び去ってしまいました。イケメンと思ったのにおっさんか、といったところでしょうか。自称“昔のイケメン”の私はちょっと傷つきました。

サンコウチョウ(メス)

冗談はさておき、オスの尾の長さですが、これは長い。本当に長いです。薄暗い森の中で、冠羽・嘴・アイリングのコバルトブルーが幻想的な上に、身体の何倍もある尾をなびかせて飛ぶ姿は森の妖精のようです。その尾も、子育てが一段落すると取れてしまう、というのも不思議な生態を持つ野鳥です。

長い尾が美しいサンコウチョウ(オス)
尾の短いサンコウチョウ

次は日本で最小の鳥、キクイタダキです。

キクイタダキ

約10㎝です。枝先にコケなどで作った巣をクモの糸でぶら下げて卵を育てるそうです。それだけ体重が軽いということのようです。

名前の由来ですが、身体の特徴からきています。頭頂に黄色の帯状のものがあります。それが、菊の花のように見え、菊のある頭頂(いただき)の鳥、ということでキクイタダキとなったそうです。見事な名付けだと思いませんか。

頭頂部が黄色いキクイタダキ

目もくりっとしてよく目立つので見つければ他の鳥と間違うことはないのですが、小さいだけに、葉に隠れるとすっぽり入ってしまい、さらに、あっちこっちとよく動くのでなかなか撮影のチャンスがありません。私の義兄も、葉の中で何か動いていたのでとにかくそのあたりを何枚か撮り、帰宅後パソコンで見たらキクイタダキだった、と言っていました。

このキクイタダキのように、身体的特徴から名付けられたものが他にもいくつかいますが、名付けの由来は今回で一旦終了。機会があれば、鳴き声から、あるいは身体的特徴からの名付けの由来としてまた紹介できればと思っています。

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